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黒腐病

本病の病原菌は細菌の一種Xanthomonas campestrisキサントモナス・カンペストリス)であり、キャベツ、ハクサイ、ダイコン、カリフラワー、ブロッコリー、チンゲンサイ、カブ等のアブラナ科野菜に発生する重要病害の一つです。
本病は土壌伝染および種子伝染をします。種子伝染では発芽時に子葉の葉縁部の水孔から病原菌が侵入して感染します。土壌中の病原菌は土壌とともに風雨で跳ね上がり、葉縁の水孔から侵入します。また、虫の食害による傷口、気孔等の自然開口部からも侵入し、道管を通って植物体内に広がります。

発生の生態
病原菌
  • 病原菌は細菌の一種 Xanthomonas campestris であり、アブラナ科野菜に広く感染します。
  • 生育温度は5~39℃で適温は31~32℃であり、死滅温度は51℃、10分間です。
  • 本菌は乾燥に対する抵抗力が強く、乾燥状態で1年以上生存します。
  • 寄生性はキャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、ハクサイ、ダイコン、チンゲンサイ、カブ等のアブラナ科野菜を侵します。
  • 海外では本病菌のレース1~6が報告されていますが、わが国に存在するレースは主にレース1およびレース4です。
病徴
  • 幼苗では葉脈の先端の葉縁部分(水孔)から黄変し、次いで褐変します。葉脈を中心にして拡大し、子葉は萎れて垂れ下がります。
  • 本葉では主に水孔から感染し、葉脈を包んで葉縁がV字型または不正円形となって黄変して次第に拡大します。
  • 感染の始めの部分は暗褐色に変わり、局部の葉脈は褐色に変わる。下葉から発病し易いが、次第に上葉にも発病します。
  • キャベツでは、結球部に発病すると球頭が淡褐色になり、根茎部が発病すると、道管部が黒変し、次第に腐敗してやがて根茎内に空洞ができます。しかし、軟化、崩壊や悪臭はしません。
  • ダイコンでは、最近、抵抗性品種が多く栽培されており発病は軽微ですが、り病性品種では葉縁から発病し葉脈が侵されます。根部にも発病し中心部が黒変します。

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