発生の生態

発生の原因

• ネギ白色疫病はかび（Phytophthora属菌＝フィトフソラ属菌）の一種が病原で起こる病気です。
• ネギのほかにタマネギ、ワケギ、リーキ、ラッキョウ、ニンニク、ニラ、ノビルなどのネギ属やチューリップ、ヒヤシンスなどユリ科植物に病気を起こします。

病徴

• この病気は主に葉に発生します。はじめ青白色で不整形、健全部との境界が不明瞭な病斑が見られます。
• やがて病斑は白色の葉枯状となり、葉は下垂したり、よじれたりします。
• 苗床で発生した場合には立枯症状となることがあります。
• 病勢の進展は急激で短期間に大きな被害を生じることがあります。
• ネギには白色疫病のほかにも種類の異なるPhytophthora属菌が原因となる疫病という病気があります。
• 白色疫病と疫病とは症状が非常に良く似ていて区別がつきにくいのですが、発生する時期には違いがあり、白色疫病よりも疫病の方が高温条件下で発生が多いという特徴があります。

伝染方法

• ネギ白色疫病は土壌伝染、空気伝染（水媒伝染）します。
• 病原菌は菌糸、遊走子のうや卵胞子をつくり、主に卵胞子が被害残渣と共に土壌中で越年します。
• ネギが栽培され、発病条件が整うと菌糸及び卵胞子が発芽して、共に遊走子のうを形成します。
• これらの遊走子のうは発芽適温である10℃前後の条件下で発芽して遊走子を出し、水滴中を遊泳して葉の気孔や傷口から侵入します。
• 侵入した遊走子は菌糸を生じ、気孔から菌糸を出し遊走子のうを形成し次々に伝染を繰り返します。

発生条件

• 白色疫病の病原菌の発育適温は15～20℃で、発病好適温度は15℃以下の比較的低温、冷涼な条件を好みます。
• 2～3月が温暖、4月頃冷涼で多雨の日が続いたり、昼夜の気温較差が大きい条件下では多発します。
• 関東以北では4～5月頃でも発生がみられます。
• 排水不良や地下水位の高い圃場での栽培では発生が多くなります。
• 疫病は梅雨から初秋期頃、特に夏期に降雨が多いと発生しやすくなります。したがって台風などで豪雨があると激発します。

防除のポイント

耕種的防除

• 昨年発生した圃場では、翌年も発生の危険性があるので、初発生の時期を注意して対処しましょう。
• 苗床、本圃の発生地では連作を避け、無病地に作付けしましょう。
• 発病株は見つけ次第抜き取り、圃場外に搬出して土中深く埋めるか焼却処分して下さい。
• 圃場を整備して排水対策を行ってください。

薬剤的防除

• 最新の登録農薬を確認し、使用法に従い正しく使用しましょう。