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チンゲンサイ軟腐病

発生の生態
発生の原因
  • チンゲンサイ軟腐病の病原菌は細菌の一種Pectobacterium carotovorum(ペクトバクテリウム カロトボラム)です。
  • 本菌の寄生範囲は極めて広く、チンゲンサイなどのアブラナ科の他にも、ナス科、ユリ科など100種以上の作物を侵します。
病徴
  • はじめ小さな水浸状の病斑ができ、次第に拡大してとろけるように軟化します。
  • 本病は主に根茎部の土壌に接触している基部から発病します。
  • 根茎部が発病すると、葉柄部は軟化し葉は萎凋します。
  • アブラナ科野菜が発病し、軟化、腐敗が進むと悪臭を発するのが特徴です。
伝染方法
  • 本病菌は土壌中に生息しており、葉、葉柄の傷口などから侵入します。
  • 根茎部が土壌に接触していると、その付近の傷口から感染して土壌伝染します。
  • 作物が栽培されていないときは、前作物の残渣、雑草根圏等で腐生的に長期間生存しています。
  • 作物が作付けされると病原菌は作物の根圏や作物表面等で増殖し、寄生生活をします。
  • 傷口、気孔、虫の食痕から侵入し、軟化、腐敗を起こしますが、発生するためには病原細菌が増殖し、一定の密度にまで達する必要があります。
発生条件
  • 本菌の発育適温は32~33℃ですが、25℃付近でも発病します。
  • 高温、多雨のとき発生が多く、被害も大きくなります。
  • 台風、豪雨、水分過多、多肥料、害虫による食害痕は発生を助長します。
  • ハウス栽培では密植栽培で発生が多くなります。
防除のポイント
耕種的防除
  • 発病株は見つけ次第抜き取り、圃場外に搬出して土中深く埋めるか焼却処分しましょう。
  • 収穫後の残渣は圃場に放置したり鋤きこんだりせず、圃場外に持ち出して処分し、圃場衛生に努めましょう。
  • 高温、多湿の時期には密植を避け、風通しをよくしましょう。
薬剤的防除
  • 最新の登録農薬を確認し、使用法に従い正しく使用しましょう。

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