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カブ炭疽病

発生の生態
発生の原因
  • 炭疽病はColletotrichum higginsianum(コレトトリクム・ヒギンシアナム)というかびが病原で起こる病気です。
  • カブのほかにコマツナ、ハクサイ、ダイコンなどアブラナ科野菜にも発生します。
病徴
  • 主に葉に発生しますが葉柄にも発生することがあります。
  • 葉にはじめ水浸状で青白色のややくぼんだ小斑点を多数生じます。
  • これら小斑点はのちに1~2mm大の灰褐色~灰白色円形の明りょうな斑点となります。
  • 病斑が集中して多数形成されると病斑周辺部から黄化が進み葉枯れ状となり、また病斑部が破れて穴が開くこともあります。
  • 葉柄には長楕円~紡錘円形の黒~褐色の病斑を生じます。
  • 古くなった病斑上では葉、葉柄ともに黒色の分生子層(病原菌を生産する器官)を生じます。これが本病の診断の決め手になります。

伝染方法
  • 炭疽病は空気伝染は行われず、分生子(胞子)が降雨や水滴で飛散して伝染します。この原因は炭疽病菌の胞子や分生子は粘着性が強いため空気中に浮遊できないからです。
  • 病原菌に汚染された種子を播種すると、種子伝染が起こり早期から病徴が見られることがあります。
  • 病原菌は被害植物組織に菌糸や分生子の形で付着あるいは寄生して生存し、翌年の伝染源となります。
発生条件
  • 露地栽培では梅雨期から発生し始め、特に7月下旬~10月上旬に降雨が続くような不順な気象条件下では多発します。
  • 施設栽培では頭上灌水を行ったとき、また施設内への降雨の吹込みがあるときなどには発生することがあります。
  • 炭疽病の発病適温は20~30℃で、厳寒や盛夏の時期にはほとんど発生はありません。
防除のポイント
耕種的防除
  • 種子伝染の危険性が高いので、種子は必ず種子消毒済みのものを使用しましょう。
  • 発生が見られたら発病株は抜き取り処分してください。
  • 被害残渣は圃場に放置したりすきこんだりせず、圃場外に持ち出して焼却処分するか、地中深くに埋め込んで圃場衛生に努めましょう。
  • 露地栽培では7~9月に降雨が続くと多発するので、発生時期の栽培では雨よけ栽培や施設栽培で対処しましょう。
薬剤的防除
  • 最新の登録農薬を確認し、使用法に従い正しく使用しましょう。

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