ネギ葉枯病
発生の生態
発生の原因
- ネギ葉枯病の病原菌はかび(糸状菌)の一種Pleospora allii プレオスポラ・アーリー〔分生子時代:Stemphylium vesicarium(ステムフィリウム・ベシカリウム)〕と、Pleospora herbarumプレオスポラ・ハーバルム〔分生子時代:Stemphylium botryosum(ステムフィリウム・ボトリオサム)〕です。
- 病原菌は子のう胞子と分生子を形成し、風による空気伝染をします。
病徴
- 葉、花梗に紡錘状の病斑を生じ、赤紫色を帯びた暗褐色、すす状のかびを形成します。
- 子のう胞子と分生子を形成し、病斑の表面には大型で少数の子のう殻を形成します。
- 黒斑病、黄斑病の病徴に酷似していますが、黒斑病のように同心円輪紋を作りません。
伝染方法
- 本病は空気伝染をします。
- 子のう殻から子のう胞子を飛散し第一次伝染源となります。被害植物の組織内で菌糸や分生子の形でも越冬すると考えられています。越冬した菌糸や分生子が翌春、再び分生子を飛散して伝染します。
発生条件
- 黒斑病とよく似ていますが、黒斑病よりやや温暖な時期の発生が多く、高湿度の条件で発生が多くなります。
- べと病の病斑に二次的に感染する場合も多く見られます。
- 温暖、多雨(多湿条件)で発生が多くなります。
- 4月から6月の梅雨の時期に多く発生し、また、9月の多雨期にも発生が多くなます。
- 早勢が衰えた株に発生しやすくなります。
防除のポイント
耕種的防除
- 生育後期に肥料切れしないように肥培管理に注意しましょう。
- 被害残渣を圃場に放置しないで、焼却処分しましょう。
薬剤的防除
- 最新の登録農薬を確認して、使用法に従い正しく使用しましょう。
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