ネギ・タマネギのさび病
病原菌名 Puccinia allii
英 名 Rust
診断のポイント
被害のようす
■病気のはじめ
葉や花梗に中央部はオレンジ色、まわりは黄白色に変わった斑点型の病徴が見られます。のちに斑点の中央部が縦に破れて伝染源の役目をするさび色の粉(夏胞子)が飛び出します。
■病気のおわり
被害のひどい葉や花梗は、さび色の粉におおわれて、わら色に枯れこみ、やがて冬越しのための病原菌(冬胞子)をつくります。
さび病の診断
- 春(5~6月)と秋(10~12月)の年2回の発生があります。
- この時期の葉や花梗にオレンジ色のふくれた斑点を認め、さび色の粉が出ていればさび病と診断できます。
防除のポイント
■病原菌の生活史
- 病原菌(オレンジ色の粉)はかびの仲間で、ワケギ、ニンニク、ラッキョウなどにもさび病を発生させます。
- さび病菌の病原菌には型(タイプ、系統)があり、ネギ、タマネギ、ニンニクを侵すネギ型(系統)、ニラ型、ラッキョウ型の3分化型(3系統)がしられています。
- 冬を越して生き残る病原菌は冬胞子です。これが春に空気中に飛散してネギにつき、気孔からネギに感染して10日間くらいで発病し、夏胞子をつくります。
- 夏胞子は春から秋の期間の9~18℃の気温下で活動し、伝染源となり、周辺株にまん延します。
■発生しやすい条件
- 気温が22~23℃以下で、降雨が多いときに発生が多くなり、24℃以上ではほとんど発生しません。
- 春まきネギでは秋から冬にかけて、秋まきネギでは春の開花期から梅雨期にかけて発生が多くなります。
- 肥料切れは発生を助長します。
耕種的防除
- 肥料切れは発生を助長します。施肥量や施肥時期を適切にしましょう。被害残渣を畑に放置すると、翌年の伝染源となります。被害残渣は集めて焼却しましょう。
- さび病が発生している周辺での栽培は控えましょう。
- 雑草の除去、良好な風通し、採種圃では花梗の倒伏防止策等の栽培環境に注意しましょう。
薬剤的防除
- かなり発生してからの薬剤散布は効果がありません。
- 発病前から10日間隔くらいで、定期的な予防散布を行ってください。
- 発病後は、ごく初期に防除を行い、まん延を防止します。
- ネギのさび病にはジマンダイセン水和剤(マンゼブ水和剤)、ストロビーフロアブル(クレソキシムメチル水和剤)、ベルクート水和剤(イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤)等が使用できます。
- タマネギのさび病にはジマンダイセン水和剤(マンゼブ水和剤)が使用できます。
- ネギは薬剤がつきにくいので、必ず展着剤を加用して動力噴霧機で、薬剤細霧が葉全体によくつくように散布します。
データ作成2013/4/11
■ご注意
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