ニラ乾腐病
発生の生態
発生の原因
- ニラ乾腐病はFusarium oxysporum(フザリウム・オキシスポラム)というかびが病原で起こる病気です。
- ニラのほかにネギ、タマネギ、ラッキョウ、ニンニクにも病気を起こします。
病徴
病徴には大きく分けて2種類あります。
- 一つ目の病徴は葉枯れ症状です。はじめ葉先が紫紅色を帯びて外側に巻き、株が小さくなります。その株の根は腐敗し、りん茎の維管束は褐変します。最終的にはりん茎が腐敗し、生育不良になります(激発すると枯死し欠株になります)。
- 二つ目の症状は葉のトロケ、しおれ、黄化です。これらは軽度のもの(下葉が少し黄化する)から重度のもの(葉色が淡くなり、葉先付近が黄化、白化、淡褐色に変色し、症状の進行とともに葉先が巻き枯死葉となる。その後、株は矮小になる)まで症状に幅があります。一つ目の症状と同様に激発すると根は腐敗し、りん茎の維管束は褐変しますが、りん茎は腐敗しません。
伝染方法
- ニラ乾腐病は被害残渣などで病原菌が土壌に残存し土壌伝染します。
- 種子伝染が起こる可能性もあります。
発生条件
- 連作地で病原菌濃度が高い場所では発生が多くなります。
- 排水不良地では発生が多くなります。
- 窒素肥料を多用すると発病が助長されます。
- 干ばつ、湿害、線虫、農作業等により根傷みが起こると発病が助長されます。
防除のポイント
耕種的防除
- 連作を避け、イネ科植物との輪作を行いましょう。
- 発生が見られたら発病株や被害残渣は圃場に放置したり、すきこんだりせず、圃場外に持ち出して処分し圃場衛生に努めましょう。
- 窒素過多は発病が助長されるので施肥管理を適切に行いましょう。
- 砂質土や赤土は発病が助長されるので完熟堆肥や消石灰等を用いて土壌改良を行いましょう。
- 干ばつ、湿害、線虫、農作業等による根傷みは発病を助長するので注意が必要です。
- 二年株の収穫が終了したら、株更新を行いましょう。
- 種子伝染の可能性があるので消毒済み種子を使いましょう。
薬剤的防除
- 最新の登録農薬を確認し、使用法に従い正しく使用しましょう。
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