ダイコンモザイク病
発生の生態
発生の原因
- ダイコンモザイク病の病原はウイルスです。
- ダイコンは3種類のウイルスによってモザイク病が起こります。カブモザイクウイルス(TuMV)、キュウリモザイクウイルス(CMV)、そしてカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の3種類です。
- 3種類の中で最も一般的で問題のウイルスはカブモザイクウイルス(TuMV)です。
- カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の被害は少ないようですが、CMVとTuMVの重複感染があります。
病徴
- はじめ葉脈が透化し、葉全体に凹凸したモザイク症状が現れます。品種や感染した時期によって病徴は様々です。
- 生育はじめに感染すると株が萎縮し、根の肥大が劣り、枯死することがあります。
- 根部の病徴は、生育が悪くなるだけでなく品種によっては肉質が硬くなったり(ガリダイコン)、根の表面にこぶができて奇形になることがあります。
- 冬の低温期には病徴が分かりにくいのですが、春になって気温が上昇すると再びモザイク症状が現れます。
- CMVやCaMVとの重複感染では病徴が激しくなります。
伝染方法
- この病気は多種類のアブラムシで伝染します。
- モザイク病発生の作物の汁液を吸ったアブラムシがダイコンに飛来して汁液を吸ったときにウイルスがうつされます。
- 種子伝染や土壌伝染はしません。
- 発芽直後から20日後頃までの間、すなわち幼苗の期間が最も感染しやすく、病徴も明瞭です。
発生条件
- 全国的に発生がありますが特に暖地での発生が多く、寒冷地や高冷地では比較的少ないようです。
- 一般に初夏から初秋にかけて高温で乾燥した年に多発します。それはアブラムシの多発生と関係があるのです。
防除のポイント
耕種的防除
- 幼作物は特にモザイク病にかかり易いので、生育前期の感染を防ぐのが重要です。
- 育苗床を寒冷紗で被覆して有翅アブラムシの飛来を防ぎましょう。
- 透明ポリフィルム、白色やシルバーポリフィルムによるマルチ栽培で有翅アブラムシの飛来を防ぐことでウイルスの伝染を防止することができます。
- 被害作物を圃場に放置しないで、抜き取って焼却処分など圃場衛生に努めましょう。
- 抵抗性品種を使いましょう。
薬剤的防除
- 最新の登録農薬を確認し、使用法に従い正しく使用しましょう。
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