ダイコンガサ症状
発生の生態
発生の原因
- ダイコンの肩部に発生するガサ症状(亀裂褐変、さめ肌)を起こす病原菌は2種類のかびが知られています。
- 葉や葉柄や胚軸に発生するダイコン黒斑病菌(Alternaria brassicicola:アルタナリア・ブラシシコーラ)が原因でおこる場合とダイコン根腐病菌(Rizoctonia solani:リゾクトニア・ソラニー)でおこる場合があります。
- ここでは黒斑病菌が原因となる場合についてお答えします。
病徴
- 黒斑病菌が葉や葉柄や胚軸に感染すると、褐色の小さな斑点を生じ、やがてその病斑は大きくなります。
- はじめは生育が衰えた株や葉に発生してから、新しい葉に広がります。古くなった病斑上には輪紋がみられ、それが破れやすいのが黒斑病の特徴です。
- ダイコンの苗がごく小さい時期に、肩部に黒斑病菌が侵入すると、その侵入した部分の細胞だけが死んでしまって肥大できなくなります。やがて侵入部周辺の生きた細胞は肥大しますが、侵入部分は枯死するため亀裂(ガサ)が生じるのです。
伝染方法
- 黒斑病菌は葉などの植物体に侵入(感染)して菌糸や胞子の形で生き残ります。この菌が活動できる気候になるとたくさんの胞子をつくり、それが風で運ばれて空気伝染します。
- 病斑から飛散した胞子が生育初期のダイコンの肩部(根頭部)に付着して侵入するとガサ症状になります。また、地上部の病斑上に形成された胞子が降雨や頭上灌水などで流されて肩部に付着し侵入する場合もあります。
- 黒斑病菌は種子伝染をします。発芽時の幼苗期の早い時期に、根部の肩部に病原菌が侵入してガサ症状の原因になります。
発生条件
- 黒斑病菌の生育適温は17℃、胞子の発芽適温は15~20℃です。
- 秋が温暖で雨が多い時に多発します。
防除のポイント
耕種的防除
- 残渣は畑に放置しないで焼却処分しましょう。
- 黒斑病菌は種子伝染するので、必ず黒斑病菌に汚染されていない種子や消毒済みの種子を使用しましょう。
- 生育後期に肥料が切れると葉などに黒斑病が多発するので肥培管理に注意しましょう。
- ダイコン黒斑病はダイコンの他にもハクサイ、カブ、キャベツなどアブラナ科野菜に発生するので、輪作する品目に注意しましょう。
薬剤的防除
- 最新の登録農薬を確認し、使用法に従い正しく使用しましょう。
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