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カブ黒点輪腐症

発生の生態
発生の原因
  • カブ黒点輪腐症の病原菌は細菌の一種Pseudomonas marginalis pv. marginalis(シュードモナス・マージナーリス・病原型・マージナーリス)であり、ダイコン輪腐病菌と同じ菌です。
  • 本菌は腐生的性質の強い細菌で、キュウリ縁枯細菌病、レタス腐敗病、ラッキョウ春腐病、ネギ腐敗病、タマネギ腐敗病など多数の作物で被害が知られています。
病徴
  • 根の中心部から形成層輪内までは放射的に黒ゴマを散在したように斑点が見えます。
  • 形成層内側に沿った道管では通常はほとんど黒変しているので、横断面では形成層内側に沿って黒色輪状に見えます。
  • 形成層輪に沿った道管は根端から根頭、基部へと黒変が進み、さらに葉柄の道管まで黒変します。
  • 本病は道管病であるが、葉が黄化、萎凋することが少ない点で萎黄病と異なります。
  • 時間が経過しても軟化、腐敗したり悪臭を発したりしません。
  • 一般的には地上部でも掘り取った後にも、外観的には異常が認められないことが多く、根部を切断してはじめて黒点輪腐症の病徴が明らかになります。
伝染方法
  • 病原細菌の第一次伝染源の経路は明らかではありませんが、被害残渣とともに土壌中に残存して伝染源となるものと思われます。
  • 病原菌は子葉へ感染すると道管を通って根部へと移動し、カブを縦切りしたとき根部の上部の左右に黒褐色の病斑を生じると思われます。
発生条件
  • 本細菌の生育温度は1~41度であり、適温は30度です。比較的高温で生育がよいが、かなり低温期でも発生します。
  • ダイコンでは9月中旬播種で間引き時に発病が見られますが、感染、発病は播種後から11月にかけて生育期に起こります。12月中旬以降になると気温の低下とともに発生は低下します。
  • 根部肥大期に降雨が多いと発病が多くなる傾向があります。
その他
耕種的防除
  • 根および葉柄基部(根頭部)の傷みを防ぎ、付傷部からの病原細菌の侵入を防止しましょう。
  • 発病株は早期に抜き取り、消却処分しましょう。
  • 被害残渣の処分を徹底し、圃場衛生に努めましょう。
  • 発病が見られた圃場では、できるだけ連作をしないように努めましょう。
薬剤的防除
  • 最新の登録農薬を確認し、使用法に従い正しく使用しましょう。

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