カブモザイク病
発生の生態
発生の原因
- カブモザイク病は2種類のウイルス(Turnip mosaic virus(TuMV):カブモザイクウイルス、Cucumber mosaic virus(CMV):キュウリモザイクウイルス)が原因で起こる病気です。
- またモザイク病は主にTuMV単独感染かTuMVとCMVとの重複感染が原因となります。
- カブモザイクウイルスはアブラナ科植物、キク科、アカザ科、ナデシコ科、ナス科など20科の植物に感染し、キュウリモザイクウイルスは野菜、花き、雑草、樹木の60科232種類以上の植物に感染します。
病徴
- TuMVによるモザイク病は初め葉脈が透化し、やがてモザイク症状となります。このときえそ斑点を伴うことが多くみられます。
- 初期に感染すると株は萎縮して枯死することもあります。
- 発病すると根部の生育が悪くなり肉質が低下し、こぶを生じて奇形となることもあります。
- CMVによるモザイク病は明瞭なモザイクとはなりません。葉にはっきりとしたモザイク症状があらわれたときにはTuMV単独感染かTuMVとCMVとの重複感染であると思われます。また重複感染しているかどうかは見た目ではわかりません。
伝染方法
- モザイク病はアブラムシによって伝搬されます。種子伝染、土壌伝染はしません。
- モザイク病の発生した作物を吸汁したアブラムシが、カブに飛来し吸汁することでウイルスを伝搬します。
発生条件
- 全国的に発生していますが寒冷地や高冷地ではあまり発生しません。
- カブの生育初期がアブラムシの飛来時期と重なる作型で発生が多くなります。地方によって異なりますがアブラムシ飛来のピークは8月から10月初めにかけて見られます。
防除のポイント
耕種的防除
- 前作の野菜類や圃場内外の雑草は出来る限り除去してから播種してください。
- シルバーマルチやシルバーテープをすると有翔アブラムシの飛来が減少し、発生が少なくなります。
- アブラムシの飛来する時期にはなるべく播種しないにしましょう。特に秋穫カブの早まきには注意しましょう。
薬剤的防除
- モザイク病はアブラムシによって伝搬されますのでアブラムシの密度を下げることが防除のポイントとなります。
- 最新の登録農薬を確認し、使用法に従い正しく使用しましょう。
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