種苗事業部 産地と栽培情報

2019年

【千葉県富津市】一代交配「有彩014」を栽培して

千葉県富津市
高橋 貴誉志

 

 

「アニモTY-12」と比較して、

木が強く、馬力がある印象を受けました。

 

 

地域概要 自然豊かで都心からも好アクセス


 

富津市は、房総半島の中西部東京湾側に位置し、海と山に囲まれた自然豊かなまちです。

千葉県の南部、房総半島の中西部に位置し、北東部に君津市、東南部に鴨川市と安房郡鋸南町に接しています。年間の平均気温は15.7℃になり、降水量は1695mmになります。

都心から約50kmと恵まれた立地に加え、東京湾アクアラインや館山自動車道の開通で、近年は更にアクセスしやすい環境となりました。そのため、潮干狩りや海水浴、ハイキングなどの観光客にも人気の地域となっています。

 

 

 

経営概要 大玉トマトを主軸とした生産体制


 

元々両親が大玉トマトの生産を行っており、約20年前、16歳の時にそれを手伝うような形で大玉トマトの栽培を始めました。以前は大玉トマトの他に花の生産も行っていましたが、10年程前からは大玉トマトのみの生産に切り替えました。今では、大玉トマトを主軸に、ミニトマト、ブロッコリーの生産も手掛けています。

栽培面積はハウス約40aで、両親を含めた3人で経営をしています。各ハウスをローテーションしながら執念で出荷が出来るような体制を整えており、青果物は主に直売所へ出荷しています。また、収量の多い時期には普段出荷している直売所の系列店舗や、農協への出荷も行っています。

 

 

導入の経緯 「アニモTY-12」に続いて導入


 

以前から「アニモTY-12」を導入していたのですが、その光景品種が販売を開始したと武蔵野種苗園の営業から紹介があったため、一昨年から「有彩014」も導入しました。時期によって他社の品種も使用していますが、今期は「アニモTY-12」と「有彩014」の二品種を使用しています。

 

 

 

独自のこだわりなど 食味の良さを特に重視


 

主に直売所に出荷をしているため、お客さんにリピーターになってもらえるように食味の良さを特に重視しています。そのため、全体的に水を絞った栽培で、収量が多少落ちてもその分食味の良いトマトを作ることを意識しています。

そのような条件であるため、品種については、収量性と食味に優れたものを求めています。また、黄化葉巻病の危険もあるため、品種を選ぶ際に黄化葉巻病の耐病性があることは必須の条件となります。

 

 

 

栽培しての感想 「アニモTY-12」との比較


 

「アニモTY-12」と比較して、「有彩014」は木が強く、馬力がある印象を受けました。また、少し葉肉も厚いような気がします。うちでは水を絞った栽培をするため、馬力の無い品種だと収量が極端に落ちてしまいます。その点では「有彩014」はうちの栽培に合っている品種だと思っています。

食味についても、「アニモTY-12」よりもしっかりと味が乗っているので、直売所に出すのにも心配がいらない食味の品種です。

一方、果形の乱れについては「アニモTY-12」の方が少なく、優れている印象があります。このように両品種とも微妙に特性は違ってくるので、それぞれの特性を把握して今後も上手く使い分けていきたいと思っています。

 

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