種苗事業部 品種特性と栽培のポイント

2016年

「AMS-200」の品種特性と栽培のポイント

(株)武蔵野種苗園 新治育種農場
金井 俊充

 

トマト黄化葉巻病、斑点病に耐病性

鮮明な濃赤色で食味の良いミニトマト

AMS-200』の品種特性と栽培のポイント

 

 

品種特性


 

 

  • トマト黄化葉巻病と斑点病に耐病性を持つ

トマト黄化葉巻病は2つのストレイン(イスラエルタイプ・マイルドタイプ)について耐病性を持ちます。

また、斑点病に対して中程度の耐病性を持っています。

 

  • 艶・果色が良く食味に優れる

果色は鮮明な濃赤色でつやがあり冬場でも色回りが良く、糖度(Brix%)は平均9度以上の高糖度で酸味と甘みのバランスがとれた濃厚な食味です。

 

  • 栽培容易

草勢がややおとなしく、肥料に鈍感な品種ですので、異常茎が発生しづらく安心して栽培できます。草勢を強めに管理することで、収量アップにつながります。

 

 

栽培概要


 

  • 定植苗のステージ

活着の遅れ、初期草勢が弱いとシングル花房になりやすくなります。そのため若苗(第1花房出蕾期~がく割れ前)で定植し、初期草勢を強くするとダブル花房になりやすいです。

 

  • 追肥

AMS-200は肥料に鈍感な品種ですので、草勢を見て追肥に迷ったら追肥を行ってください。第1回の追肥は、第1果房肥大期に開始して、その後草勢を見ながら2~3週間に1回行ってください。施肥量は窒素成分で1~3㎏/10aとし、晴れている日に施肥を行ってください。早生性があり段の進みが早いので、早め早めの追肥を心がけ草勢の維持に努めてください。肥料切れを起こすと着果不良、果実の肥大減少につながり収量が低下します。追肥のタイミングに迷ったら追肥を行って下さい。

 

  • 台木

食味を優先し育成したためAMS-200は半身萎凋病、萎凋病に対し耐病性がありませんので、半身萎凋病、萎凋病、コルキールート・青枯病が発生する圃場では、土壌消毒や台木による対策をお願いいたします。また、草勢がおとなしい品種ですので、草勢の強い台木がおすすめです。

 

 

作型


 

黄化葉巻病が発生する6~8月の高温期の播種に適していますが、全ての作型で栽培可能です。

 

 

病害耐病性について


 

 


 

葉に径2~3㎜の黒褐色の小斑点を生じ、多発時には果実に症状が現れ出荷が困難になります。多発すると防除が難しい病気です。

AMS-200は斑点病の耐病性を持ちますが、中程度の耐病性ですので、耐病性を過信せずに薬剤での防除や、多湿条件にしないなど、耕種的防除を心がけてください。

 

 

品種の使い分け


 

 

『AMS-100』

収量性タイプ、トマト黄化葉巻病・黄化えそ病発生地域。

『AMS-200』

食味タイプ、トマト黄化葉巻病・斑点病が問題になっている地域。

 

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