種苗事業部 品種特性と栽培のポイント

2017年

「雪牡丹(MSK-1135)」と「ゆりかもめ」の品種特性と栽培ポイント

 

 

 

食味の良い白さび病・根こぶ病耐病性品種

  • 白さび病および根こぶ病に対して強い、秋~春まき品種。
  • 当社の「万寿」と比べて肉質が軟らかく、食味に優れる。
  • 低温期の球肥大が良く、また球揃いが非常に良い為、等級のばらつきが少ない。
  • 葉柄は丈夫で折れにくく、草姿立性で作業性が良い。

 

 

播種の適期は秋まき(9月中~10月上旬まき)と春まき(2月~4月上旬まき)になるが冬期も生育が旺盛で球肥大が早く栽培はしやすい。低温期を中心とした栽培となる為、播種時の地温をしっかりと確保し発芽を揃えることが作柄を安定させるポイントとなる。播種前に土壌水分を確保し地温を十分に上昇させておく。

 

夏期と比べて気温が低く栽培しやすい時期ではあるが、早まきの際は特に虫害に気を付ける。この時期の虫害としてはコナガ、キスジノミハムシが問題となる為、防虫ネットを使用するとともに早めの薬剤散布を行い予防に努めることが大切である。

白さび病には強いが、栽培地によっては発生も確認されている為、必要に応じて防除が必要となる。

 

 

 

夏期の整理障害に強い根こぶ病耐病性品種

  • 耐暑性に優れ、根こぶ病に強い夏どりに最適な早生種。
  • 草姿は立性で比較的コンパクトとなり、球とのバランスが良い。
  • 球肥大が早く、特に高温期においては病害虫の被害が拡大する前に収穫可能。
  • 肥沃な畑においては、当社の「碧寿」と比較して球尻のまとまりが良く、尖り球の発生が少ない。

 

播種機は中間地で4月~9月下旬が適期となる。低温期の栽培では球の形状が扁平になりやすいので注意する。本種は夏期を中心にした栽培となる為、圃場の水分状態が品質の良し悪しに大きく影響する。高品質のカブを収穫するためには、播種後の乾燥を防ぎ一斉発芽に努める。これにより、個々の勝ち負けがなくなり収穫時の揃いが向上する。また、欠株が減ることによって球の日焼け、葉軸の開張がなくなり高品質なものが収穫可能となる。高温期の栽培ではス入りが早い為40日以内を目安位に収穫を行う。

 

施肥量の目安としては10a当りのチッソ成分量で4月まきでは12kg、5月まきで8~10kg、6~7月まきで6kg、8月まきで6~8kg、9月まきで10~12kgとする。良品質のものを得る為に堆肥の施用が効果的である(2t/10a程度が目安)。また、夏期栽培では生育後期の肥料切れがス入りを引き起こす原因となる為、有機質肥料を主体とした施肥設計が望ましい。

 

栽植距離はやや広い方が茎葉が太くしっかりとし、球の変形が少なくなり品質、収量共に安定する。目安としては、4~5月まき、9月まきでは15cm×12cm、6~8月まきでは15cm×15cmとする。品質を高める為、気温の上昇と共に栽植距離を広げることがポイントとなる。

 

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