種苗事業部 産地と栽培情報

2014年

武蔵野交配「ゆりかもめ」小カブを栽培して

東京都 八王子市小比企町
八王子大根・かぶ出荷組合
中西 真一

地域の概要

八王子市は東京都の南に位置する人口約60万人の都市です。
古くから蚕業の盛んな土地であり、八王子の織物として全国的に有名です。最近では桑の葉を使った健康のためのサプリメントも着目されてきました。野菜の栽培に関しては富士山の火山培土が堆積した赤土を利用したダイコン、小カブ、ニンジンなどの栽培が盛んでしたが、最近では多品目の需要が高まりスイートコーン、トマト、ナス、キュウリなど様々な野菜が作られるようになりました。
野菜の直売所も充実しており多くの都民から愛されてきた地域です。東京で最初に道の駅ができたのもこの八王子市です。

栽培概況

 家族4名のほか5名のパートさんに手伝ってもらい、小カブ、ニンジン、トマト、キュウリ、スイートコーンなどを栽培しています。小カブは昔から栽培しており、作付面積は1.2ha、その内の670㎡がハウス栽培です。ほぼ周年にわたり小カブを栽培していますが、露地栽培は10月10日播種までで、その後ハウス栽培に移行します。冬場は主に「CR雪峰」(武蔵野交配)を播種しますが、3月上旬からは「白寿」(武蔵野交配)、4月中旬から「碧寿」(武蔵野交配)となります。
小カブの他に無加温のトマトを栽培しており、4月上旬に定植し収穫は5月下旬~8月中旬で終えます。その後キュウリの収穫に移り、11月上旬で終了します。

 

ゆりかもめ小カブを栽培して

 寒冷紗を使い9月上旬に播種し10月中旬に収穫しました。有機堆肥を1.5t施し化成肥料として大根パワー(6-12-6)を使用しました。軸折れを防ぐため、畑のカルシウム(ケイ酸カルシウム)も使用しました。その結果カタログに使用できるくらいの見事な小カブが収穫でき、まわりの八王子大根・かぶ出荷組合のメンバーからも絶賛の声が上がりました。本来は夏カブであるにも関わらず11月中旬に収穫したカブも見事な小カブが出来上がったとの声も聞きました。
ゆりかもめ小カブの同地区での評価をまとめると次のようになります。
●葉があばれず軸もしっかりしている
●球形が良い
●色がきわめて白く味が非常に良い(葉も美味)
以上のことから、ゆりかもめ小カブは小カブ品種選定における第一選択になりうる有望な品種であると思います。暑さに強いと説明もあったので次回は春蒔き~8月上旬収穫まで幅広い作付にトライしてみたいと思います。また、武蔵野種苗園が販売する注目のトレハロースを使ったミネラルサプリ「G-アップサプリ」を全ての品目に使用している同地区では、「困ったときのG-アップ!」としてかなり高い評価がされています。夢の二糖類といわれるトレハロースによる継続的な微量要素供給により、味と生育は非常によくなり多くの感嘆を得ています。何よりもこの効果にしてこの価格が農家にとってうれしい限りです。今後もゆりかもめ小カブとG-アップサプリは使っていきたい第一選択の商品であると考えています。


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