種苗事業部 産地と栽培情報

2015年

武蔵野交配「くりりん」カボチャに大満足!

株式会社 みよい
明井 清治

2007年の武蔵野ニュースNo.21に産地情報を寄せていただいた、 今や全国的に有名な「みよいのかぼちゃ」の明井清治氏にその後の様子を執筆いただきました(編集部)。

地域の概要

北海道茅部郡森町は道南に位置し、函館から車で1時間の距離の太平洋側にあり、活火山「駒ケ岳」山麓地帯にあります。この地域はカボチャの産地でもあります。水はけのよい火山灰土壌と海抜300mの高地のため、昼と夜の温度差があり、カボチャ栽培に適しています。

カボチャ栽培の概要

 播種は4月上旬でビニルハウスで1ヵ月間育苗して、5月上旬の定植となります。マルチ・トンネル栽培で整枝は親づる1本仕立てとしています。収穫は7月下旬から9月上旬までで、出荷は9月下旬まで続きます。

「くりりん」導入の経緯

 私が「くりりん」カボチャと出会ったのは、「くりりん」という品種名が命名されて世の中に発売される2年前のことでした。私の農場で武蔵野種苗園が様々なカボチャ試交品種を試験栽培したときに、最も果形、果肉の色・味の全てが優れていた品種が「くりりん」でした。そこで「くりりん」が発売された年にカボチャの作付面積の20%に「くりりん」を導入しました。従来から栽培していた品種と「くりりん」を一緒に青果物を出荷したところ、青果販売店全件から来年からは全量「くりりん」でお願いしたいという依頼を受けました。そのため翌年から栽培面積の100%を「くりりん」とし、現在に至るまで栽培を続けております。

糖度25度超え!「黄金かぼちゃ」販売開始

 昨年、糖度25度以上という1個売りの「黄金のかぼちゃ」というギフト品を販売したところ予想に反して物凄い話題になりました。さらに新しい試みとして今年から糖度20度以上という「プレミアムくりりん」も出荷しております。また、高温キュアリング処理によってどうしても傷んでしまうカボチャを「有機かぼちゃのうらごしペースト」に加工し、お菓子やスープにも利用できるようにしました(味は青果物と変わらず大変好評です)。
私は39年間、日本一おいしいカボチャづくりを目指して今日まで精進してきましたが「くりりん」には大変満足しております。


その後の 「くりりん」栽培

 私の農場は全面積(40ha)をJAS有機の認定を受けた有機栽培圃場です。おいしいカボチャを作りたいとの一心で様々な有機農法を勉強し、試行錯誤を繰り返した結果、13年程前から海のミネラルを施した土づくり管理にたどり着き実践をしています。
その結果、昨年の「くりりん」のMAX糖度は30.5度と遂に30度超えをしました。しかも私の農場は38年も連作している圃場もあるくらいカボチャ1品目集中栽培を行っていますが、むしろ年々品質は上がってきているのを実感しています。長年の圃場へのこだわりがこのような結果を導いてくれたのだと思っています。また、一部の商品に関してはより熟成させるために高温キュアリングもしっかり行っております。

 

★「黄金のかぼちゃ」とは…★

 同条件で生育している沢山のカボチャの中でも、「あらゆる条件を満たした中の一品」が、「黄金のかぼちゃ」です。
一般のカボチャの平均糖度が10~12度程度で、15度あれば甘いと評されます。ところがこの「黄金のかぼちゃ」については25度以上となっています。大きさも十分にあり、オレンジに熟した色合いで、色濃い果肉には甘さはもちろんのこと旨みも詰まっています。

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