種苗事業部 産地と栽培情報

2011年

「ミラクルグリーンベルト」を生産して

葉色が濃く、高品質で、作業性の非常によいニラ

栃木県真岡市
JAはが野 にら部会
部会長 横山 雅紀

地域の概要

JAはが野は平成9年に1市5町、真岡市、益子町、茂木町、市貝町、芳賀 町、二宮町(平成22年に真岡市に編入)が合併して発足しました。栃木 県の南東部に位置し、首都より100km圏内にあります。おもな農産物 はイチゴ、ナス、ニラ、トマト、ナシ、特産品としてシイタケ、コンニャクな どがあります。
JAはが野にら部会は農協発足後の平成12年に統一部会として結成 されました。現在の部会員は148名、全体の耕作面積は40haです。

JAはが野 にら部会 部会長
横山 雅紀

 

1ハウス8条植えで、中央に通路。2重被覆にトンネル掛けの3重被覆

地域でもっとも早くニラ栽培に取組んだ

私は以前、勤めに出ていたのでニラ栽培に本格的に取組んだのは6~7年前からになります。それまでは妻が一人でやっていました。昭和50年代
でしょうか、二宮町農協になる前の長沼農協のころです。当時、ハウスでナス生産をしていましたが、農協の指導でニラ生産を始めました。この地域では一番早かったのではないでしょうか。
にら部会長になったのは昨年からです。2年任期なのであと1年あります。ニラの耕作地としての面積は1.2ha、周年生産を行っているので収穫用のハウスは間口4.5m、奥行き50mのもので10~12棟ほどです。労力は夫婦2人と常時雇用1人、出荷作業の忙しい冬にパート1人です。

間口4.5m、奥行き50mのパイプハウス

パートさんと奥さんとで調製作業。ミラクルグリーンベルトは外葉を除去しやすい

ミラクルグリーンベルトに惚れ込む

ミラクルグリーンベルトを導入したのは5年前で試行番号MSI-598のころからです。
①葉色が濃く、立性
②外観がきれいでFG袋に入れて見栄えがよく、品質が高い
③外葉の除去がしやすく作業性が非常によい
④太りがよく8~10本で100g1束になる
などすばらしい品種で大変気に入ってしまいました。スーパーグリーンベルトなども作っていましたが、現在はミラクルグリーンベルトが主力品種となっています。

結束機で100gに結束する。ミラクルグリーンベルトは太りがよく8 ~ 10本で束ができる

ミラクルグリーンベルトの栽培概要

播種は5人グループの共同作業で行っています。平成15年の事業でニラ定植機を共同購入したときの仲間です。220穴セルトレイに1穴当りコート種子3粒播き、昨年の播種期は3月17日でした。育苗管理は個人で行い、ハウス育苗で約2ヵ月、潅水管理に気を配り、1~2回葉先を刈って、しっかりした苗に仕上げます。
定植は5月31日。施肥は毎年、土壌診断を行って農協の肥料設計に従って施肥量を決めています。ニラ専用肥料の8-6-6か野菜用の8-3-3で
すが、リン酸、カリが多くなってきているので野菜用を使っています。また、堆肥は豚ぷんと牛ふんを混合した完熟したものを1ハウスに300~450kg投入しています。農協扱いの堆肥ですが、完熟のものを使うようになってからネダニの数が少なくなったような気がしています。
栽植距離はうね間45cm、株間21~22cm、1ハウス8条植えで中央に通路をとります。
保温開始は12月10日から順次行っていきます。2重被覆に小トンネルをプラスした3重被覆で27~28日で収穫期になります。年明けの1月7~8日から収穫、出荷が始まりました。年間7回刈りが目標で、冬~春に4~5回、抽たい期は休んで、秋に2回です。その後、株は廃棄となります。
収穫は冬期では1ハウス3日で終えないと伸びすぎてしまいます。この時期は労力的に厳しいのでパートを1人雇います。

ミラクルグリーンベルトはFG袋に入れてきれいで見栄えがよい

小型のガスボンベを使用したマルチ穴あけ器。バーナーの熱を利用する

農協の情報サイトを活用

JAはが野では市況、栽培情報などを提供する有料サイト「未来ちゃんアグリネット」を開設しています。市況が毎日みられることや青色申告も簡単にできるソフトがあり、大変助かっています。これからも技術の向上に励み、良品生産に取組んでいきたいと思っています。