【千葉県我孫子市】「有彩014」を栽培して
黄化葉巻病耐病性で、味が濃厚なトマト新品種!
千葉県我孫子市
田村 星寿
我孫子市は、千葉県北西部の東葛地域に位置する市です。
千葉県のマスコットキャラクター「チーバくん」は横から見た姿が千葉県の形をしていますが、我孫子市はそのチーバくんの鼻の上あたりになります。
昭和40年代以降から東京圏のベッドタウン化が進み、大規模な住宅開発が行われましたが、利根川沿い・手賀沼沿いを中心とした稲作、台地上での野菜の生産が盛んです。
周辺には、東に印西市、南と西に手賀沼を隔て柏市があります。また、北は利根川をはさんで、茨城県取手市と隣接しています。地理的には手賀沼と利根川にはさまれ、豊かな水と緑に恵まれているため、江戸時代には水運が栄えていました。現在でもJR常磐線と成田線、国道6号と国道356号が分岐しており、交通の要衝となっています。
栽培概況
トマトの栽培をはじめて8年になり、我孫子市の直売所「あびこん」にトマトやナス、インゲン等様々な品目を出荷しています。家族3人で、面積は2反半、ハウス促成栽培を行っています。毎年、8月盆すぎに播種をして、1月頃から6月まで収穫をしています。収穫を終えてから、圃場の準備のために土づくりを行っています。
トマトを栽培するにあたって、土のために土壌消毒は行っていませんが、センチュウ対策としてネギを栽培し、すき込んでいます。「植物の持っている生命力」を最大限に引き出すこと、最小限の元肥を使用し、「土本来の力」を活かした栽培をしていることが美味しいトマトを作ることにつながっているのだと感じています。
㈱武蔵野種苗園のトマト品種を栽培したのは今から3〜4年程前になります。
それまでは非耐病性の品種を使っていましたが、黄化葉巻病が発生してしまい、印西市の山口種苗園で耐病性がある品種を紹介してもらいました。
その当時、黄化葉巻病耐病性でもイスラエル系統、イスラエルマイルド系統の両方があるものはまだ少なかったのですが、「アニモTY-12」を使うことで、黄化葉巻病の被害もなくなりました。
また、黄化葉巻病が発生してしまうことに加えて、この辺りは田んぼ地のため、排水が悪く、裂果しやすいということも問題でした。その点でも、「アニモTY-12」は裂果を抑えることができ、収量を向上させることができました。
有彩014を栽培してみて
今回、より味を追求した新品種があると種苗店から紹介を受け、「有彩014」を栽培してみることにしました。「有彩014」も「アニモTY-12」と同様の作型、方法で栽培をしました。
「有彩014」は「アニモTY-12」と同じように黄化葉巻病の抵抗性があり、果皮が硬く、軟化玉が出にくいのが特徴になります。また、「アニモTY-12」より裂果がしにくいため、水はけが悪い、この地域にも適しています。また、Lや2Lサイズでまとまり、収量性が抜群な点が特に気に入っています。
また、「有彩014」は「アニモTY-12」よりも尖りが少ないです。尖ってしまうと、傷がつきやすくなってしまうので、冬期の温度管理に注意をしています。
「有彩014」の一番の特徴は「味が濃厚」なことです。黄化葉巻病耐病性がついている品種は食味がやや落ちる傾向にありますが、「有彩014」では味がしっかりしているトマトを作ることができます。
「アニモTY-12」よりも色も濃く、真っ赤で、お客様からも「甘くて、美味しい!」と大変好評を頂いております。
今後も、この「有彩014」をメイン品種として使用していきたいと思っています。
◎「有彩014」の特徴(「アニモTY-12」と比較して)
- 味が濃厚
- 熟しても、軟化玉になりにくい
- L、2Lサイズが多い(収量性が良い)
あびこ農産物直売所「あびこん」について
先ほども述べましたが、トマトを中心に収穫物はあびこ農産物直売所「あびこん」に出荷をしています。「あびこん」では、地元で栽培された、様々な品目の新鮮な野菜やお米が毎日並べられています。商品には生産者、出荷日を記すだけでなく、各生産者が栽培履歴を記入して販売をしています。
また、地元農産物を使用したこだわりの加工品やちばエコ農産物の認証を受けた農産物もございます。
これからも生産者と消費者の相互理解をさらに深め、我孫子市の農業活性化や地産地消を進めていきたいと思っております。
地元の人はもちろん、周辺地域の方にもおいしい農産物を食べてもらいたい!という気持ちで、出荷をしています。丹精込めて作った安心・安全・新鮮な旬の地元農産物を用意して、みなさまのご来店を心よりお待ちしております。
場所:千葉県我孫子市新田9-1
駐車場:70台分あり
定休日:なし(年末年始を除く)
営業時間:9:30〜17:00
URL:http://abiko-chisann.sakura.ne.jp
※平成29年春に移転予定(移転先:水の舘内農業拠点施設)
関連情報
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