武蔵野交配『吉宗』を導入して
欠株が少なく、収量性に優れる
大分県豊後高田市
生産者 井上 林
地域の概要
豊後高田市は、大分県の北東部、国東半島の西側に位置し、東西17.1 ㎞ 南北23.2 ㎞ に広がる総面積206.6k㎡を有している。周防灘に面した干拓地は、温暖で降雨量の少ない瀬戸内海気候に属し、年間の平均気温は15.8℃、平均降雨量は1,316㎜と温暖で過ごしやすく、農作物の栽培に適した環境に恵まれています。
産地の概要
干拓は約200年前から始まり、昭和時代に入り二度の大規模な干拓事業で約600ha規模の干拓地ができました。サラサラとした砂土に堆肥を混ぜ込んだ畑は、手に取れば貝殻が現れミネラルたっぷりです。ここで生産されたネギは、噛めば軟らかな甘みが感じられ、身が詰まっていて食べごたえ抜群と市場からの評価も高く、九州一の白ネギ産地です。
『吉宗』導入経緯
年間を通して温暖で過ごしやすい気候だが、やはり砂土における厳暑期の栽培は表層50℃近くにも上昇して、欠株が多発するため耐暑性があり収量性の高い品種を望んでいます。
また、季節風によって葉折れの心配があるため葉折れの心配が少ない品種も品種選定の重要なポイントとなります。
「吉宗」を導入するきっかけは、昨年、井上さん常連の隣町にある老舗種苗店、石部種苗店さんの勧めがあってのことです。
「緑海支所」生産者の感想
白ネギの栽培は、約30数年前から夫婦2人で約1町歩の作付け面積を経営しており、収穫は9月中下旬~翌年6月下旬まで品種をリレーしながら出荷しています。
今回『吉宗』は、4月上旬播種→6月上旬定植→11月~収穫という予定で作付けしていたが収穫予定の11月の時点で、圃場での見栄えも良く、他の作業の都合もあって翌年の2月中旬~の収穫となりました。(※写真は全て『吉宗』2月21 日撮影)
さすがに、収穫適期がかなり過ぎたこともあり、胴割れが多く出荷調整時の葉枚数を確保するのに厳しい状態でした。しかし、収穫予定であった11月~1月下旬までは圃場での立毛・首部の締まり・葉色・葉のコンパクトさで他品種を突き放す輝きがありました。収穫適期を過ぎてしまった時点でも、欠株少なく・葉がコンパクトで首部の締まりが良く・重量感もあったため、今年の作付けでは『吉宗』の面積を増やし、安定的な出荷体系を整えようと思います。
関連情報
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