種苗事業部 産地と栽培情報

2014年

武蔵野交配「ホワイトパラソル」 カリフラワーを栽培して

極早生で収穫揃い良く、湿害に強い!

長野県
JA松本ハイランド 松本東山部営農センター
野菜指導係 上條 淳

産地の概要と導入経過

 JA松本ハイランドは長野県のほぼ中央に位置しており、2市5村にまたがる広域JAです。そのため、野菜類でも葉洋菜・果菜・根菜と様々な品目の作付けがされています。カリフラワーについては松本市の北東部に位置する岡田・本郷地区が主力産地であり、標高700~900mの標高を活かした作付けがされています。
 近年の夏は猛暑とゲリラ豪雨が当たり前となっていますが、これらに対応する品種を選択する必要があります。当産地は、すでに極早生種の「パールホワイト」を導入していましたが、「パールホワイト」は圃場によっては耐湿性に課題がありました。そこで、武蔵野種苗園の担当者と検討を進め、現地試験を行う中で耐湿性にも優れていたため、2年前から「ホワイトパラソル」の導入をしています。


「ホワイトパラソル」の導入経過および栽培結果

 当産地はすでに「パールホワイト」の作付けがされていましたが、導入するにあたり「ホワイトパラソル」との品種の違いが分かりにくいという課題がありました。そこで、武蔵野種苗園の新治育種農場のブリーダーを招いて冬期に栽培講習会を行い、各生産者に圃場にあった品種を選択して頂きました。それ以降、毎年メーカーを招いて講習会を開催しながら、品種情報等をこまめに提供できるように努めています。
「ホワイトパラソル」は、「パールホワイト」と比較して根が強く湿害に強いです。但し樹が旺盛になりやすく、肥料が多いとわき芽も発生しやすいため、「パールホワイト」に比べてやや元肥を減肥する必要があります。本年度は梅雨明け後も適度に降雨があったため、草勢も確保され、わき芽も多い状態でした。そのためか、例年に比べて花蕾が少し尖ったドーム状になってしまい、葉を切る際に花蕾の頂上部を傷つけてしまう心配があったため、作業をする際に課題が残りました。
その他として、花蕾が若干クリーム色に近いことが挙げられます。「ホワイトパラソル」の花蕾を単独で見るとあまり気になりませんが、「パールホワイト」と比較すると、少し黄みがかった感じがします。
収穫については、「パールホワイト」「ホワイトパラソル」とも収穫は揃いますが、特に「ホワイトパラソル」は収穫の揃いは良いため、出荷ピークが出来やすくなります。導入当初はそのことが分からなかったため、生産者は出荷最盛期になると想像以上に収穫作業の忙しい状態が続きました。今では平準出荷がされるよう生産者自身も意識をしながら、こまめに播種を行い安定出荷に努めて頂いています。JAでも作付動向を確認するため、生産者に定植調査用紙を配布して「定植日・定植本数・品種」を調査しながら、出荷見通しの把握に努めています。この内容から出荷予測を見極め(この出荷予測の精度はなかなか向上しませんが…)、販売担当者と連携しながら、日々の有利販売に努めています。



まとめ

 当地区の生産者も約60年近いベテラン生産者から新規生産者まで様々ですが、「高品質で安心安全なものを消費者に提供したい」という目標は同じです。そのため、定期的に目揃会を開催し、個々の品質格差の是正に努めています。また、有望品種の現地検討会の実施や安心安全対策に取り組みながら、産地の地位向上に取り組んでいます。
「ホワイトパラソル」を導入して2年が経過しています。当地区では、夏から秋にかけて「ホワイトパラソル」「パールホワイト」から「雪まつり」へと品種リレーがされ、10月まで毎日出荷がされます。
当JAは6月から出荷がされており、長野県のカリフラワーの産地の一翼を担っています。そのため、その時期にあった品種を取り入れながら、これからも高品質で安定した出荷にこれからも取り組んでいきたいと思います。


〉〉プリント用ページはこちら(PDF)

関連情報