種苗事業部 産地と栽培情報

2014年

一代交配「アニモTY-12」で、安心出来るトマトを作る

地元を愛する組合から、日本に誇れる組合へ

熊本県
農事組合法人 うき協連
組合長理事 杉浦 修一

地域の概要

宇城市は、平成17年1月、旧宇土郡三角町、不知火町、下益城郡松橋町、小川町、豊野町の5町が合併して誕生した熊本県のほぼ中央に位置する人口約6万人の市です。熊本市まで北へ約30㎞、八代市まで南へ約15㎞のところにあり、市内中心部を熊本県の経済動脈とも言える国道3号線が走ります。

農事組合法人 うき協連の概要

 「農事組合法人 うき協連」は組合員数6名で、平均年齢は45歳と若い組合です。
私は元々、八代市にある「農事組合法人 八協連」に20年間所属していました。
トマトを栽培し続ける中、私の故郷でもある宇城市のトマトの知名度の低さや、その原因は何なのか、と考える事もありました。そして、このままではいけないと思い、5年前、同じ志を持った7~8軒の農家と勉強会のグループを結成し、その後、八協連・中村組合長の後押しもあり、自主自立共生して行くため、2年前、正式に組合を発足致しました。
栽培面積は大玉トマト約550a、ミニトマト約80a、他にメロンも栽培しております。トマトの出荷は10月から始まり出荷最盛期は11~12月、5~6月になります。総出荷量は年々増加しており、2012年度の実績として大玉トマトで14万ケース(4㎏箱)に及びました。各メーカーさんのご協力もあり、年々安定した出
荷を実現しています。出荷先は主に福岡県ですが、昨年の5月からは『アニモTY-12』の日持ちの良さを生かし、九州だけでなく沖縄県や本州にも配送を行っています。
また、うき協連では1月28日に福岡県福岡市より、優れた栽培技術や品質管理、また安定した出荷を継続した功績が評価され、出荷一年目から感謝状を授与されました。

『アニモTY-12』 導入経緯・導入のねらい

 『アニモTY-12』がまだ試作段階の時から栽培していましたが、当時から作りやすく、長期間の栽培においても安定感があり手応えを感じていました。最終的に、既に導入していた八協連の実績を参考に本格的な導入を行いました。

 

導入のねらいとして、
●黄化葉巻病耐病性(イスラエル・イスラエルマイルド両系統)
●冬場の着果率
●肥料に鈍感で草勢管理しやすく条腐れ果が出にくい
市場に安定した出荷を実現するには、第一に“病気にかかっていない健全なトマト”を栽培することにあると思います。「アニモTY-12」は、もってこいの品種だと感じました。
次に「アニモTY-12」は花数が多く冬場の着果率が良好です。
逆に言うと、花数が多いので摘果の徹底が必要となります。しかし、摘果を行うことにより果実肥大、冬場の草勢維持につながり、先尖り、落果も多少軽減されます。落果については、他社品種と比べると多いですが、振動を減らすため、誘引作業を二段階に分けるなどの工夫を行い、対処しています。

アニモTY-12の特徴
◎良い点

果実の日持ち性、肥大性、節間が短く誘引作業が少なく作業性も良い

◎改善点

落果、冬場の先尖り、食味(酸味を持たせる)

◎栽培ポイント

加温機の温度を他品種より1~2℃高めにすること(最低室温13℃)

今後について

 大きな組合ではないですが、一人一人が施設園芸の経営者として成功するように努力しています。これからも各メーカーさんにはご協力頂きながら、出荷数量の安定や品質の向上、また何よりも“お客様から信頼される産地づくり”を意識し、目標である八協連に追いつくように努めたいと思います。

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