種苗事業部 産地と栽培情報

2018年

【群馬県渋川市】玉揃いが良く、秀品率が高い!一代交配「レッドチーク」 ハツカダイコンの生産に取り組む

一斉収穫可能な揃いの良さ。

 

 

 

低温における肥大性も抜群で栽培しやすく、

味も良いことから非常に気に入っています。

 

 

地域概要 多様な品種の野菜を栽培


 

渋川市は日本そして群馬県のほぼ中央部、関東平野の始まる位置にあたり、古くから交通の要衛として栄え、豊富な水資源を活かした工業、山地の開拓によるい農業や首都圏の奥座敷となる観光・温泉などを主要産業としてきました。東京都心までわずか120kmという距離にあり、主な交通網として南北に関越自動車道と国道17号、東西に国道353号、鉄道はJR上越線とJR吾妻線の2路線が通っています。地形は赤城山、棒名山、子持山、小野子山に抱かれ、利根川と吾妻川の流れによって形成された谷地が特徴です。標高は最低139m、最高1565mとその差1400m以上という起伏に富んだ地形を有し、地区の大半が自然的土地利用で占められています。

気温は最高38.8℃、最低-6.1℃で、年間平均は13.8℃となっています。また年間降水量は997.5mmで、最大降水量は6月の211.5mm、最小降水量は1月の2.5mmです。

このように標高差や地形、地質などの変化が大きいため、野菜の種類・作型などは非常に多様化しています。露地野菜が中心ですが、農業用水の受益地では、簡易パイプハウスを利用した軟弱野菜の栽培が行われています。

 

 

産地概要 出荷サイズを厳密に管理


 

JA赤城たちばなはネギ、ブロッコリー、キュウリ、ナス等多岐に渡る品目の生産・販売を行っています。そのういちハツカダイコンの生産に取り組んでいるのは3軒で、総面積50aを10月~4月の半年間で約4回転させ、年間1700ケースを主に加工業者などに契約出荷しています。出荷サイズは3.5cmを上限とし、3cm前後でまとまる様に指導を行っております。

 

 

 

導入の経緯 ほほべに2号に代わり導入


 

農協の子会社である(株)グリーンファーム赤城たちばなが新規品目の検討・試験を毎年行う中で、ホウレンソウ用のハウスの転作として提案されたのがハツカダイコンでした。他社品種を含め数年にわたり試験を行い、当時(株)武蔵野種苗園から販売されていたほほべに丸が選定されました。以来、(株)武蔵野種苗園の品種を生産しており、ほほべに丸からほほべに2号、そして今回レッドチークを導入するに至りました。

 

 

レッドチークの良い点 品質も味も良好


レッドチークはほほべに2号に比べ、各段に品質が上がっています。まず、秀品率が非常に良好です。異形や割れ等が少ないため規格外品が少なく、揃いも良いため一斉収穫・出荷が可能です。また、玉肌も美麗で艶があり、見栄えもします。さらに、低温における肥大性も抜群で栽培しやすく、味も良いことから、非常に気に入っています。

 

栽培のポイント 土と水の管理が重要


 

栽培のポイントとしては、まずは土づくりが挙げられます。堆肥に油かすや腐植酸資材を加え活用することにより、より一層青果物のツヤが上がりました。次に水管理ですが、播種前に1回、萌芽後7日頃、17日頃の計3回程度、土の状態を確認しながら潅水を行っています。

 

 

今後の課題 低温機の生育が課題


以前生産していたホウレンソウから、ハツカダイコンに転作を行ったところ、出荷形態の違いなどから生産・出荷の手間が楽になりました。品種がレッドチークに代わってからは更に生産しやすくなり、品種としての課題は今のところ見当たりません。生産面の課題としては、2月頃の低温機に生育が遅れ、出荷量が減少するため、栽培技術の向上や作付面積の調整などによる出荷量増加を目指したいと思います。