種苗事業部 産地と栽培情報

2016年

武蔵野交配『ゆりかもめ』小カブを栽培して

神奈川県小田原市
生産者
山本 実 氏

相模湾を望む圃場で小カブを栽培

地域の概要

小田原市は神奈川県の西部に位置する市で、西は箱根山、南は相模湾に面して四季を通して温暖である。小田原城へは毎年多くの観光客が訪れ、名産品はかまぼこ、干物、みかん、梅、寄木細工などが有名である。

 

生産者および栽培について

山本氏は神奈川県小田原市で40年にわたって小カブと葉ネギを栽培しています。60aの畑を奥様と2人で栽培管理を行っており、1週間~2週間おきに播種しています。小カブ→葉ネギ→小カブという輪作を行うことで、40年間小カブの栽培を続けても、根コブ病等の土壌病害の発生はほとんど無く、山本氏は葉ネギを挟むことで、根コブ病などの発生が出にくいのではと話していました。
種は10cm間隔で1粒播き、条間は12~13cmで行っています。品種については年4品種を使い分けており、万寿(1月)・しろかもめ(2月~4月)・ゆりかもめ(4月~9月)・玉里(10月~1月)の流れで播種をしています。

導入の経緯と栽培した評価

夏の播種については、碧寿を使用していましたが、葉ネギの残肥によって樹勢が強くなりすぎてしまい、地上部が出来過ぎてしまうことが問題点でした。

2013年の夏に武蔵野種苗園の担当者より、草勢の穏やかな品種『ゆりかもめ』を紹介してもらい試験したところ、碧寿と比べて草勢が大人しく、作業性も優れており、満足できる青果物を出荷できました。
そして、2014年の4月からゆりかもめを本格導入しましたが、玉里同様に年内いっぱいまで播種をしてもよいものが採れるように感じます。
収穫は球の大きさでSから3Lまでの規格で、大きさに合わせてテープで結束し、地元の小田原中央青果㈱へ出荷しています。市場から地元のスーパーで販売展開されるため、作業性だけでなく、食味も重要視しています。
ゆりかもめは碧寿では樹が出来過ぎてしまう圃場にはピッタリの品種だと思います。病気や肌の表面は碧寿の方が優れているように感じますので、好みに合わせて使い分けるといいと思います。

今後について

今後望む品種としては、夏カブが年を追うごとに栽培しにくくなっているため、真夏でも暑さに負けずに綺麗に仕上がるカブを望みます。

 

 

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