種苗事業部 産地と栽培情報

2011年

「ポポロ」を栽培、販売して

新顔野菜として注目浴びるファーベ(生食用ソラマメ)

静岡県磐田市
生産者 鈴木 章弘

産地の概要

静岡県磐田市は、平成17年に磐田市と磐田郡3町1村が合併して誕生しました。県西部地方に位置し、市内を東西に国道1号線、東名高速道路、東海道本線、新幹線が貫き、交通の便に恵まれています。
市内の農業は温室メロンやチャ、白ネギ、エビイモ、チンゲンサイなどの中国野菜の生産が有名で、首都圏、関西地域をはじめ、全国に出荷されています。
気候は温暖で、冬は晴天率が高く雪はめったに降りません。その気候を利用して温室やハウス栽培が盛んです。

ファーベ「ポポロ」の導入

「ポポロ」導入以前も、わが家では生食可能なソラマメを栽培してきました。しかし、普通のソラマメと比較して、莢は沢山着くものの、小粒種で豆の大きさがエダマメを一回り大きくした位のものでした。
「ポポロ」は普通の一寸ソラマメと比較して豆の大きさは同様で、莢が大きくひと莢に5粒から7粒入り、しかも生食可能であると言うことでした。
いろいろ調べてみると、イタリアでは大粒種のソラマメが栽培されているそうです。
その中で、生食可能なものもあり、旬になると豆を莢から取り出し皿に山盛りにし、チーズと一緒に生で食べる習慣があるそうです。ワインとの相性が良くイタリアでは好まれているようです。

一寸ソラマメより莢が長く約30cmになる

「 ポポロ」の栽培概要

「ポポロ」は2007年秋から栽培をはじめました。
栽培概要は無加温ビニルハウスに平うねを作り、黒色マルチを展張しました。栽植密度はうね間100cm、株間50cmとし、1穴2粒を直播きしました。施肥は前作がミニトマトだったため、肥料が残っていると判断し入れませんでした。
気温が上がってくる2月下旬ごろから脇芽をとり、最終的に5~10枝を残すようにしました。3月に入り開花が始まると潅水をはじめ、木の具合を見ながら潅水量を調整しました。同時に液肥を追肥として与えました。
花が15段から20段開花したところで摘芯してやりました。 脇芽とり、潅水のタイミングと量、摘芯のタイミングが、収量を左右するポイントです。

「 ポポロ」の栽培結果

「ポポロ」の収穫は4月中旬から始まり、5月中旬まで続きました。草勢がおう盛で、摘芯しなければ草丈130cm以上になります。病害虫の被害はアブラムシ以外ほとんど見られず、非常に頑強な作物です。
収穫物を見てみると一つの莢の長さは、とても大きく平均29cmでした。また1莢当りの豆の数も多く平均6粒でした。豆の大きさも一寸ソラマメ同様の大きさでした。生で食べてみるとえぐみはなく、サクサクとした食感と強い甘みが感じられ、糖度を測ると平均糖度20度ありました。

収穫期のポポロ。莢着きがよく、長い莢がたくさんついている

1莢に一寸ソラマメと同じ大きさの豆が5 ~ 7粒入る