種苗事業部 産地と栽培情報

2013年

「イーハセブン」の水耕栽培

サラダホウレンソウとして、重量感、見栄えのよい

静岡県裾野市
べじた館 ぶっこ
代表 大塚 学

地域の概要

 裾野市は静岡県東部に位置します。その名のとおり、箱根山や愛鷹山、富士山といった名だたる山々の裾野に位置する町で、イチゴやモロヘイヤが特産物です。

経営の概要

  私は7年前に4人目の子供が誕生したのを期に、15 年間勤めた建設会社を退職し、ビジネスチャンスを求め、全くの未知の世界である農業の世界に飛び込みました。そうした中、栽培技術がある程度確立され、栽培期間が短く狭い面積でも収量の上がる水耕栽培(MKVドリーム㈱)での葉物栽培に目をつけ1年間の研修後に、マイホームのために貯めたお金を頭金にして建設会社時代のノウハウを生かし現在のハウスを建設いたしました。
現在は、2,000㎡のハウスで、サラダホウレンソウとミニホワイトセロリを生産しています。
労力は、義父、私たち夫婦の3人とパートさん5人です。

播種から出荷までの流れ

 MKVドリーム㈱ ナッパーランドシステムを用いて、箱根水系の井戸水を使用して栽培しています。
播種は、発芽率の良いロックウール(微粒綿)を採用し、144穴のトレイに5~8粒の種子を播種します。潅水後シートに包み、20℃に保たれた部屋に3日間前後入れておき、一斉に発芽させます。本葉が2枚以上出て第1葉が2~3cm位伸びた時期に定植します。
栽培ベッドは、1作ごとに熱殺菌(65℃で1時間以上)循環させます。また、ベッドが10ブロックに分かれており、生育に合わせてEC・pHを管理しています。各ブロックに分かれていることにより、仮に病気が発生してもブロックの範囲内で収まり、農場全体に広がりません。
出荷は静岡県や神奈川県のスーパーや小売店を中心に、出荷先に合わせ100gと180gに調製し、FG袋で出荷します。






イーハセブンを栽培して

 今年は、イーハセブンを含めた5品種を組み合わせ栽培しました。品種による格差は大きくその時期ごとの試験栽培は欠かせません。  試験栽培では、収入に大きく影響する重量率(1株当りの重量÷本圃場占用日数)や荷姿・作業性・棚持ち・味などを調査し総合的に判断し決定します。  特に、7月から9月にかけては、単価も上がり出荷数量も増える時期で、この時期の出来が1年間の売上に大きく影響します。  イーハセブンが他品種よりも優れている点は、なんといっても重量率の良さにあります。  栽培日数は、他品種の平均よりも2~3日かかりますが、重量が1.2~1.4倍になり単一面積当りの収量が上がります。また、軸も太く、葉の絡みが少ないので作業性も良く、色や葉と軸のバランスも良く見栄えのする品種です。  サラダホウレンソウは、露地のホウレンソウに比べで水分量が多く、この時期トロケが入る場合があり、クレームが時々ありますが、イーハセブンを導入後少なくなりました。  今後は、イベントや試食会へ参加してより一層多くの方々にサラダホウレンソウをアピールしていきたいと考えています。  ホームページもありますので、『べじた館 ぶっこ』(http://web.thn.jp/bukko/)で検索して、是非見に来てください。

 

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