種苗事業部 品種特性と栽培のポイント

2020年

レタス「春P」「クラウドブレイク」の品種特性と使い分け

 

はじめに

 

 

  • レタスはキク科アキノノゲシ属の野菜です。学名であるLactuca Sativa. LのLacは乳を意味しており、「白い乳の出る草」という意味があります。原産はトルコ~地中海沿岸で紀元前から栽培された記録があります。

 

  • レタスの種類には結球(玉)、半結球性のサラダ菜やロメインレタス(コスレタス)の他に結球しないリーフレタスやステムレタス(やまくらげ)などもあります。

 

  • レタスは歯切れがよくサラダなどの生食になくてはならない野菜です。スープや鍋物、炒め物に入れてもシャキシャキとした食感が失われずに料理を引き立てる名脇役となります。産地は日本各地にあり、季節ごとにレタスの栽培に適した場所を求めて産地が移動していきます。

 

 

1.品種特性

 

  • 「春P」:結球性に優れた早生種で、球揃いが良く府結球になりにくい中間地春用品種です。球形は扁円球にまとまり葉の被りが深く、球尻は平滑で形状が安定し秀品率も高い品種です。また根腐病レース2、べと病、腐敗病などの病害に強く、チップバーン(生理障害)にも強い品種です。
  • 「クラウドブレイク」:草勢はやや強めで外葉が大きくなる暖地向け冬用品種です。球形は扁円~豊円球でまとまり、長玉などの変形球が少なく安定した結球性を持ち、ブカ球になりにくいという品種特性を持っており、低温期の伸張性に優れています。べと病・ビックベイン病に強い品種です。

 

2.適応作型

 

  • 最適作型

 

 

 

「春P」

冷涼地・準高冷地:一番初めの作型として

 

「クラウドブレイク」

暖地:10月上旬播種、1月末~2月上旬収穫

 

 

3.レタス栽培と各品種の栽培ポイント

 

レタスは比較的冷涼な気候を好む野菜で、生育適温は15~25℃(17~20℃が最適)です。土壌pHは6.0~6.5に調整をします。積算温度(長日条件)により抽苔する性質があります。

タネの発芽には光があった方がよく(好光性種子)、高温では休眠する性質があります。このため覆土は少なめとし、播種後役2日間は徳に生育適温に従い20℃程度の発芽室を利用し、無い場合は風通しの良い日陰で養生します。この間は土を乾燥させないよう注意します。

定植前の圃場には畝立てしマルチをします。土壌水分の急激な変化を嫌うためマルチによって土壌水分を安定させます。使用するのは、高温期は白黒ダブル、低温期は黒またはグリーンが一般的です。

定植する際には若苗を植えるようにします。適期の目安はセルトレー育苗の場合は、苗が引き抜けるようになり、根鉢が形成され過ぎない頃です。

夏期は本葉2.5~3枚、冬期は4~5枚となります。定植時には根鉢を崩さないように注意し、マルチ表面と培土表面が同じ高さになるようにします。

 

潅水は苗がマルチ穴に潜り込まないよう注意して行い、活着を早期に進めるよう根を深く広く張らせるよう心掛けます。

トンネル栽培の場合は結球が見られるまではある程度旺盛な株を作り、結球が確認できた頃から換気調整を行い球肥大と締まりを調整します。収穫は球の上部を軽く押し内部に軽く固さを感じられるようになったら収穫します。7~8分結球が収穫の目安となり、結球が進むほどに苦みが感じられ、球も硬くなるので収穫遅れには注意しましょう。

「春P」では特に適期収穫を心掛け、収穫遅れのないように注意します。極低温期収穫の場合は、生育前半に十分な保温を行い必要な外葉枚数を確保すること、結球が見える頃からの適宜換気を心掛けてください。

「クラウドブレイク」も低温期栽培で安定して生育する品種特性のため、トンネル栽培では換気を適宜行い、トンネル密閉による過度の高温・高湿度にならないように注意しましょう。

また、両品種ともに各種病害には強いのですが、薬剤散布による慣行防除を併用するように心がけましょう。

 

 

4.最後に

 

「春P」、「クラウドブレイク」ともに品種特性が活かせる作型において各産地で大変評価されております。レタスは「サラダの影の主役」と言われるほど年間を通して需要がある野菜です。安定出荷・供給に対して今回ご紹介しました両品種がその一助になればと思っております。

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