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病害レポート2008

2009年2008年
農薬に関するご注意

ネギ主要害虫の被害状況と防除対策

千葉県農林水産部
農業改良課

技術指導室 
清水 喜一

はじめに

  根深ネギは、夏期冷涼な地域での夏秋どり栽培とその他の地域での冬春どり栽培が中心となり、周年栽培されている。葉ネギ、小ネギを中心としたハウス周年栽培もあるが、発生する害虫種は地域、作型によって発生消長に若干の相違はあるものの大きな変化はない。
  ここでは、代表的なネギ害虫の生態と被害状況、防除の要点について概説し、参考に供することとする。
  本稿執筆にあたり、特に写真撮影については、千葉県農業総合研究センター病害虫防除課の石田博英副主幹、大嵩洋子副主査にご協力いただいた。また、ネギアブラムシの画像については、同病害虫防除課のホームページにある病害虫アルバムからお借りした。
ここに記して厚くお礼申し上げる。 

 

●シロイチモジヨトウ


シロイチモジヨトウ幼虫

シロイチモジヨトウ幼虫

発生生態

  本種は、熱帯から温帯にかけて世界的に広く分布し、多くの作物を加害する害虫としてよく知られている。国内では、1980年代に入って鹿児島県のネギで問題になり、その後発生地域を急速に拡大した。ネギ、セルリー、エンドウ、アブラナ科野菜、スイカ、アスパラガス、ヤマノイモなどの野菜類だけでなく、カーネーション、シュッコンカスミソウ、トルコギキョウなどの花き類でも被害が発生する。 成虫の体長は、10〜15mm、開張25〜30mmのガである。体色は全体に明るい灰褐色で、前翅中央部に黄褐色の円形の斑紋がある。卵は、卵塊で産卵され、表面は灰褐色の鱗毛で覆われる。幼虫の体色は多様で、若齢期には黄緑色であるが、中齢以降になると淡緑色から黒褐色のものまで見られ、個体変異が大きい。幼虫には胴部の側面に明瞭な白線がある。老熟すると体長約30mmとなるが、ハスモンヨトウに比べるとかなり小形である。
  幼虫は、孵化後しばらくは集団で生息するが、齢が進むにつれて次第に分散する。一般的には、8月以降の発生が多い。
  本種は非休眠性であるため、施設内では冬期も発生を繰り返すことがある。暖地で老齢幼虫が越冬すると考えられている。

被害状況

  野菜、花き類の葉、花蕾、花弁を食害する。一般的に狭い隙間に潜り込んで、その内部から食害する。ネギでは、ふ化幼虫は集団で葉の先端に近い部分や葉の折れた部分の内側から穴を開けて葉身内に食入し、中から表皮を残して葉肉だけを食害する。そのため、被害を受けた葉は表皮が白い皮となって残る。若齢期の幼虫はほとんどが葉身内にいるが、4齢以降は分散して食害し、葉に穴を開けたり葉の途中を食い切るようになり、ネギ苗や小ネギでは葉の外部に出て摂食する個体も多くなる。しかし、分散する範囲は比較的狭く、卵隗があった株を中心に坪状の被害がみられる。中後期の被害症状はハスモンヨトウとよく似ており、被害症状から両種を区別することはできない。また、本種を含めてヨトウガ類によるネギの被害は、直接的な食害だけではなく、虫糞が葉身内の底部に堆積することによっても発生する。

防除の要点

  早期発見につとめ、卵隗やふ化直後の幼虫の集団を見つけたら速やかに取り除く。施設作物では、施設内への成虫の侵入を防ぐため、側窓等の開口部に寒冷しゃ等を張る。
  性フェロモンを利用した交信かく乱剤、ヨトウコン-S、コンフューザーVが市販されている。露地で使用する場合は、少なくとも5ha以上、できれば10ha以上のまとまった処理面積が必要である。施設で使用する場合は誘ガ灯を併用すると高い防除効果が得られるという。
  本種幼虫の薬剤感受性は、齢が進むと低下し、葉身内食入後では薬液を直接虫体に付着させることも難しい。したがって、ふ化直後の若齢期をねらって防除を行う。ネギでは、アファーム乳剤、カスケード乳剤、コテツフロアブル、スピノエース顆粒水和剤、トルネードフロアブル、 フェニックス顆粒水和剤、プレオフロアブル、マッチ乳剤、ラービンフロアブル等の登録がある。

トラップに捕獲されたシロイチモジヨトウの雄成虫

トラップに捕獲された
シロイチモジヨトウの雄成虫

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●ハスモンヨトウ

ハスモンヨトウ卵塊

ハスモンヨトウ卵塊

発生生態

  きわめて雑食性の害虫であり、野菜、畑作物、花き、果樹等の各種作物を加害する。幼虫は6齢を経て蛹化し、成長すると約40mmになり、日中は日陰や地際部などに潜み、主に夜間、活動する。25℃での1世代は約40日である。
  本種は、非休眠性の暖地系害虫であり、加温されたハウス内では、冬季でも発育と加害を続ける。耐寒性は弱いので西南暖地においても自然条件下での越冬は難しく、ハウス内などで越冬すると考えられている。移動性が高く、年に数世代発生するが、越冬個体がきわめて少ないので春は密度が低く、世代を重ねながら秋に多発するようになる。本種の発生量は年次によって著しく変動する。梅雨明けが早く、暑さが厳しい年の秋に多発する傾向がある。休眠性がないので成幼虫ともに晩秋まで発生する。 成虫の体長は、15〜20mm、開張は40mm前後であり、前翅に斜めに交差した数条の淡褐色の縞模様がある。和名は、この特徴のある前翅の模様に由来している。
  卵は、数百個が一塊となった卵塊として葉に産みつけられ、薄茶色の雌成虫の鱗毛によって覆われている。
  ふ化直後の幼虫は、透き通った緑色をしているが、脱皮すると茶色の幼虫になる。頭の後ろに特徴的な1対の黒い斑紋があり、老齢幼虫では、背の中央に1本、左右に2本の橙色の線が明瞭となる。体色は薄いものからほとんど黒く見えるものまで変化に富む。
  土中で蛹化する。蛹は茶色で、オオタバコガ、ヨトウガ、カブラヤガ等と同様な一般的なヨトウ類の蛹であり、これらは、蛹で種の区別をすることはできない。

被害状況

  多発年では、6月頃からほ場で幼虫の被害がみられるようになるが、例年は8〜10月頃の被害が大きい。被害状況は、シロイチモジヨトウとほぼ同じであるが、若齢期に葉身の中に潜り込むことは少ない。

防除の要点

  各種薬剤に対する薬剤感受性は低く、難防除害虫である。中、老齢幼虫になるに従って薬剤の効果が低くなるので、若齢幼虫のうちに防除する。卵塊や、卵からふ化したばかりで集団になっている幼虫を見つけたら取り除くのも重要な防除法である。
  交信かく乱剤として、コンフューザーVが登録されており、オオタバコガ、ヨトウガ、タマナギンウワバ、コナガ、シロイチモジヨトウとの同時防除が可能であり、栽培がまとまった野菜地帯において大面積で実施することができれば有効な防除法となる。
  ネギでは、BT剤として、エコマスターBT、クオークフロアブル、ゼンターリ顆粒水和剤、デルフィン顆粒水和剤、バシレックス水和剤、フローバックDF等の登録がある。

ハスモンヨトウ卵塊 ネギを食害するハスモンヨトウ幼虫

ハスモンヨトウ卵塊

ネギを食害する
ハスモンヨトウ幼虫

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●ネギコガ

ネギコガ幼虫

ネギコガ幼虫

発生生態

  成虫の体長は、4.5mm程度、開張9mm程度の小型のガであり、全体が黒褐色で前翅の後縁中央に白色斑があり、静止すると背面中央の白紋が鮮やかに目立つ。卵は、短楕円形で扁平、乳白色、長径0.7mm程度で葉に点々と産卵される。幼虫は、前後に細まる紡錘形で胴部に細い毛が疎生する。淡緑色に褐色の縞がある。5齢を経て蛹になるが、老齢幼虫は、体長7〜8mmになる。終齢幼虫は葉に円い穴を開けて表に出て、荒い繭を作って蛹化する。各形態ともコナガによく似ている。
  ネギ属植物だけ食害し、休眠性はない。年間10回前後発生する。
  冬期の気温が高めに経過すると発生時期が早くなる。梅雨明け後の高温乾燥により、急激に繁殖する。

被害状況

  葉の内側から表皮を残して食害する。食害は小白点や、やや蛇行した線状の白斑として始まり、食害が進むと幼虫の食い進んだ痕が白く太い筋になり、葉のところどころに穴があく。食害がひどくなると葉が白化、枯死する。発生が多いのは6〜10月頃である。

防除の要点

  葉の内部に寄生するため、葉身内への潜入防止に重点を置く。
定植時および生育期の粒剤あるいは生育期の散布剤が有効である。散布剤はフェロモントラップによる予察をもとに行うとより有効である。
  ネギでは、アグロスリン乳剤、アディオン乳剤、スミチオン乳剤、ダイアジノン乳剤40、ハチハチ乳剤、オンコル粒剤5、ガゼット粒剤等の登録がある。

ネギコガ繭

ネギコガ繭

ネギコガ幼虫の被害 ネギコガ終齢幼虫

ネギコガ幼虫の被害

ネギコガ終齢幼虫

 

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●ネキリムシ類

カブラヤガ雄成虫

カブラヤガ雄成虫

発生生態

  ネキリムシ類とは、中老齢幼虫が昼間は土壌中に潜み、夜間に地際部を食害、株元をかみ切ったり、生長点を加害する害虫の総称で、ネギでは、カブラヤガ、オオカブラヤガ、センモンヤガが記録されており、主要種はカブラヤガである。
  老齢幼虫で越冬し、越冬幼虫は、ほとんど食害することなく蛹化し、第1回成虫は、4、5月に発生する。年間に数回発生するが、被害は、5、6月頃と秋に多い。
  産卵は、野菜ほ場や雑草地の地表面近いところに1個ずつ産み付けられる。雑食性で野菜類だけでなく雑草地での発生も多い。
  終齢幼虫は、約40mmになり、体色は、つやのある灰褐色。触るとすぐに丸くなり、弾力があって、プリプリした感じである。この特徴は、他種にはないもので、老齢幼虫であれば判別は容易である。また、各体節には黒褐色のいぼ状突起が数個あり、これに毛が生えているのも特徴である。 土中で蛹化するが、ヨトウガとほぼ同じ大きさの蛹で体型もよく似ている。
  成虫の体色は、灰黒褐色で独特の斑紋がある。静止したときは、オオタバコガ、ハスモンヨトウに比較すると縦にやや細長く、上翅は三角の屋根型にならずほぼ平らな形となる。

集カブラヤガ終齢幼虫

集カブラヤガ終齢幼虫

2) 被害状況

  ふ化後の幼虫は地際に生息し、下葉を食害するが、このころの被害はほとんど目立たない。特徴的な被害は、3、4齢幼虫になってからであり、苗の地際部の切断である。被害が問題となるのは、発芽および定植直後の幼苗期であり、芯葉を食害したり、地際の軟らかい茎を切断する。また、切断した茎葉を土壌中に引き込んで食害することもある。1頭の幼虫が次々と食害するために幼虫密度が低くても被害は大きくなる。また、移動性も高く、雑草地からの移動によって、被害の発生部分がほ場の1方向に偏ることもある。

防除の要点

 前作の除草や栽培管理が不徹底だったり、休耕した後の栽培では、生息していた幼虫によって被害が発生しやすい。また、ほ場周辺から幼虫が移動してくることもあるので周辺ほ場を含めた雑草管理が重要となる。播種、定植は、幼虫を除去するために除草後10日以上あけてから実施する。
  作付け前にクロールピクリン等の土壌消毒剤の使用によって防除する。適用薬剤としては、オンダイアエース粒剤、カルホス微粒剤F、カルホス粉剤、カルモック、ネキリトンKがある。

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●ヨトウガ

ヨトウガ卵塊

ヨトウガ卵塊

発生生態

 ハスモンヨトウ等と一括し、ヨトウ類として扱われることが多いが、ヨトウガは、種として存在する野菜類の重要害虫である。ハスモンヨトウと同様に各種の野菜、花卉類に寄生する広食性害虫であり、土中で蛹越冬し、年2回の発生をする。東北以北では夏眠せずに春から秋まで連続的に年2回の発生をするが、関東以南の暖地では、蛹で夏眠し、春と秋の明らかな2山形の発生となる。
  卵は、数百粒の卵塊で産卵されるが、シロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウのように卵塊が鱗毛に覆われることはない。卵が重なることはなく1段で平面状に産卵される。最初は黄白色であるが、ふ化直前は黒っぽく見える。ふ化幼虫は、最初、集団で食害を開始するが、発育が進むにつれて、分散する。若齢期の体色は緑色であることが多く、この時期までは、ウワバ類と同様にシャクトリムシ歩行をするのが特徴である。終齢幼虫は、約40mm、体色は緑色から黒色まで変異に富む。 蛹は、ハスモンヨトウ等の一般的なヨトウ類の蛹と同様な形態で茶色である。ハスモンヨトウの蛹よりやや大きいが、大きさで区別することはできない。
  成虫は、ベースが黒灰色で、上翅に大きめの不正形の白紋があるのが特徴である。

ヨトウガふ化幼虫

ヨトウガふ化幼虫

被害状況

  ハスモンヨトウとほぼ同様の加害をし、同様な被害を残す。

ヨトウガ終齢幼虫

ヨトウガ終齢幼虫

ヨトウガ成虫

ヨトウガ成虫

防除の要点

 中、老齢幼虫になるに従って薬剤の効果が低くなるので、若齢幼虫のうちに防除する。卵塊や、卵からふ化したばかりで集団になっている幼虫を見つけたら取り除くのも重要な防除法である。
  交信かく乱剤として、コンフューザーVが登録されている。適用薬剤としては、DDVP乳剤50、デス等と各種BT剤がある。

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●ハエグリバエ類

ネギハモグリバエ幼虫

ネギハモグリバエ幼虫

発生生態

  各種のハモグリバエが寄生するが、ユリ科ネギ属だけに寄生するネギハモグリバエの寄生が最も多い。成虫は,体長2〜3mm前後、小楯版の色が黒色であることから肉眼で他種と区別できる。
  葉の内部を幼虫が食い進み、その痕が細長く白い筋になる。た、成虫の舐食、産卵痕は規則正しく並んだ白い点になる。地表近くの土中または葉の表面で蛹化する。地表下1〜2cmにおいて蛹で越冬する。春から秋までに年間5〜6回発生する。空梅雨だと発生量が多くなる傾向がある。

ネギハモグリバエ幼虫の食痕

ネギハモグリバエ幼虫の食痕

被害状況

  成虫は葉の組織内に点々と産卵し、ふ化した幼虫は葉の内部に潜入して葉肉を食害するため、食害痕は白いすじ状となる。幼苗期に多発すると枯死株を生じ被害が大きくなる。

食痕の拡大

食痕の拡大

防除の要点

 生育初期の被害は、枯死だけでなく食入部分付近から葉の奇形を起こしたり発育の遅延を生じるため、多少でも発生の兆しがみられたら、早めに防除を行う。また、定植時や土寄せ時に粒剤を処理すると効率的に防除を行うことができる。感受性が低下しているのか、近年の発生は多いようであり、難防除害虫となっている。
  登録薬剤としては、アグロスリン乳剤、オンコルマイクロカプセル、ガゼットMCフロアブル、ダントツ水溶剤、ダントツ粒剤、ベストガード粒剤等がある。

ネギハモグリバエ成虫 ナギハモグリバエ成虫の舐食痕

ネギハモグリバエ成虫

ナギハモグリバエ成虫の舐食痕

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●タマネギバエ、タネバエ

タマネギバエ雌成虫

タマネギバエ雌成虫

発生生態

  両種とも成虫は、体長5〜6mm程度のハエで、雄は暗黄褐色〜暗褐色、雌は灰色〜灰黄色である。幼虫は白色〜黄白色のウジで、老熟すると長さ6mmくらいになる。蛹(囲蛹)は長径 4〜5mm、短径1.5mm程度で、わずかに平たい紡錘形である。成虫は春から秋までいつでもみられ、年5〜6回発生する。タネバエは成虫で、タマネギバエは蛹で夏眠するので両種とも盛夏には一時密度が減少する。 両種の区別は、幼虫では困難であり、成虫で行う必要がある。タネバエは、我が国で古くからの重要害虫であり、全国各地に発生。野菜ではインゲンマメ、キュウリ、スイカ、タマネギ、ダイコンなどで被害が大きい。タマネギバエは、ネギのほか、タマネギ、ニラ、アサツキ、ニンニク、ラッキョウなどネギ類に寄生する。ネギ類では、両種が混発することもあるが、他の野菜類に発生するのはタネバエと考えて差し支えない。 卵は地際の茎葉部、土壌表層に産みつけられ、ふ化幼虫は、腐植質または種子や根部を食害する。老熟すると食害した種子や植物から離れ、その近くの土中で蛹化する。

被害状況

  幼虫が発芽時に種子の中に入り、子葉や幼根・幼芽を食害するため、種子は発芽できずに腐敗してしまう場合が多い。被害を受けた種子は、発芽しても生育が著しく不良となる。
  幼虫が発芽直後の幼茎や定植直後の茎盤部の中に入り、胚軸や主根・主茎を食害するため、苗や株は萎凋し、枯死することもある。

タマネギバエ幼虫の被害

タマネギバエ幼虫の被害

防除の要点

 成虫が、たい肥のほか、ダイズかす、魚かす、鶏ふんなど有機物に強く誘引される性質があるため、一般にたい肥を施用すると多発を招くことがあるので注意する。
  登録薬剤としては、VC乳剤、ダイアジノン乳剤40、デミリン水和剤、ダイアジノン粒剤3、同粒剤10がある。 

 

タネバエ(左)とタマネギバエ(右)雄成虫の頭部 タマネギバエ雄成虫

タネバエ(左)とタマネギバエ(右)
雄成虫の頭部

タマネギバエ雄成虫

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●アザミウマ類

ネギアザミウマ成虫

ネギアザミウマ成虫

発生生態

  ネギには、各種のアザミウマ類が寄生するが、ネギアザミウマの発生が最も多い。ネギアザミウマは、体長1.3mm前後、成虫の体色は淡黄色から淡褐色であり、夏期は色が薄い。寄主植物は多岐にわたり、雌単為生殖を行う。植物体上で成虫が非休眠越冬し、春先から活動を開始する。

被害状況

  成幼虫が葉の表面を舐めるように食害するので、食害された痕はカスリ状に色が抜けて白くなる。被害が激しい場合には葉全体が白化症状を呈する。

ネギアザミウマ食痕 ネギアザミウマ幼虫と食痕

ネギアザミウマ食痕

ネギアザミウマ幼虫と食痕

防除の要点

  ネギに対して登録農薬は数多くあるが、薬剤抵抗性が発達しており、長期間、密度低下をはかれる薬剤はない。ほ場周辺の雑草防除、障壁作物の設置、シルバーマルチの被覆等耕種的、物理的防除も考慮しなければならない。
  登録薬剤としては、播種、定植時の薬剤としてアクタラ粒剤5、オンコル粒剤5、ガゼット粒剤、スタークル/アルバリン粒剤、同顆粒水溶剤、ダントツ粒剤、ベストガード粒剤等があり、散布剤としては、 アクタラ顆粒水溶剤、オンコルマイクロカプセル、ガゼットMCフロアブル、スタークル/アルバリン顆粒水溶剤、ダントツ水溶剤、ハチハチ乳剤、プレオフロアブル、ランネート45DF等がある。


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●ネギアブラムシ

ネギアブラムシ有翅成虫

ネギアブラムシ有翅成虫

発生生態

  ネギ類だけに発生する黒色のアブラムシで、多発すると株全体が本種で覆われて黒くなる。ネギ萎縮病ウィルスを媒介する。5〜6月と10〜11月に発生するアブラムシで、吸汁された被害葉は生長が止まる。無翅成虫は体長が2mm前後、全体が黒色で光沢がある。有翅成虫は無翅成虫よりも小さく羽の脈に黒い縁どりがあるのが特徴である。

被害状況

  薬剤に対する感受性は高いが、繁殖力がおう盛であり、株が枯死するほど増えることがある。とくに小さな苗では株全体が枯れ上がるので被害は大きい。

防除の要点

  他害虫の防除をきちんと行っているほ場では、ほとんど発生を見ない。登録薬剤としては、DDVP乳剤50、アグロスリン乳剤、エルサン乳剤、ジメトエート乳剤、スミチオン乳剤、ダイアジノン乳剤40、マラソン乳剤等がある。 

葉上のネギアブラムシのコロニー

葉上のネギアブラムシのコロニー

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●ヒョウタンゾウムシ類

サビヒョウタンゾウムシ成虫

サビヒョウタンゾウムシ成虫

発生生態

  主としてトビイロヒョウタンゾウムシとサビヒョウタンゾウムシの2種類が発生する。羽化直後であれば、形態によって両種を分類することも可能であるが、活動後の個体で種を区別することは難しい。解剖し、雄交尾器に付属する内袋内にある骨片の形によって判断しなくてはならない。 発生には、地域的な偏りが強く、ゴボウでは各地で被害が見られるが、千葉県では、ゴボウだけでなく、ネギ、ラッカセイ、ニンジンでも重要害虫となっている。
  両種の生態には大きな違いがないようであり、両種とも成虫もしくは幼虫で越冬する。成虫越冬の場合、早めに羽化した越冬成虫は地上部で、遅くに羽化した越冬成虫は土壌中で越冬する。越冬成虫は、翌春4月頃から活動を開始して各種植物の葉を食害し、5月上、中旬に産卵を開始する。産卵当初の卵は白色であるが、やがて黒くなる。産卵は地表面に行われ、ふ化幼虫が地中に潜って各種植物の根部を加害する。やがて新成虫が出現するが、地上に出現した新成虫の産卵数は少なく、そのまま越冬する個体が多い。新成虫が産卵した個体群は幼虫越冬する。幼虫越冬した個体群は翌年の7、8月頃に羽化すると考えられ、次世代の多くも幼虫越冬する。
  成虫の後翅は退化しており、飛翔することはできない。移動はもっぱら歩行によっている。本種の発生に偏りがあることの原因と考えられる。


被害の状況

  成幼虫ともに被害を発生させる。成虫は、葉を食害し、幼虫は根部を食害する。ほ場外から越冬成虫が侵入し、ほ場内に産卵された場合にも被害は発生するが、土壌中に幼虫が越冬していた場合の根部の被害が甚だしい。茎盤部が食害され、生育が停止してしまうような被害が発生する。

ヒョウタンゾウムシ幼虫によるネギ根部の被害

ヒョウタンゾウムシ幼虫によるネギ根部の被害

ヒョウタンゾウムシ幼虫によるネギの被害状況

ヒョウタンゾウムシ幼虫によるネギの被害状況

防除の要点

  前作で、本種が発生していた場合に被害が大きくなる。前作栽培後の土壌消毒と成虫侵入時期、ふ化時期の防除が重要であるが、登録農薬はない。

ヒョウタンゾウムシの卵 ヒョウタンゾウムシの幼虫(左)と蛹(右)

ヒョウタンゾウムシの卵

ヒョウタンゾウムシの
幼虫(左)と蛹(右)

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●ハダニ類

ハダニの寄生と食痕

ハダニの寄生と食痕

  ネギでは、北海道でホモノハダニの記録があるが、まれにカンザワハダニと思われるハダニが発生することがある。

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